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直物取引と先物取引の違い - 外国為替取引で資産運用する為の外貨投資入門





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直物取引と先物取引の違い


外国為替市場には、銀行間取引が行われる「銀行間市場」と、銀行が一般事業法人
や個人などと取引する「対顧客市場」がございます。


この二つの市場で行われている為替取引に「直物取引」と「先物取引」があります。

直物取引と、先物取引の違いは以下の通りです。


ある、メーカーが、1億円の現金をドルに替えて海外送金してくれというオーダー
を、取引先の銀行に依頼したと仮定します。


このオーダーを受けた銀行は即日、受け取った円を外貨に変えて海外送金するの
ですが、このように顧客からの外国為替取引の以来とともに即日実行するような
為替取引の事を直物取引といいます。


しかし、問題があって、中には1ヶ月後に入金される予定の外貨を円に替える必要
があるものの、それまで円高が進みそうな場合、現時点で3ヶ月後の外貨売り・円買
いの注文を約束しておこうという顧客もいるはずです。


例として、ある輸出企業が1万ドルの製品を輸出したとします。

現在の円ドル相場は1ドル=120円。


そして、1万ドルの輸出代金が入金されるのは今から1ヶ月後になりますが、現在
の為替相場の動きをみていると、輸出代金が入金される1ヶ月後までには、円高が
進みそうな気配です。


もし、円高が進んでしまいますと、ドル売り、円買いを行うと円建ての受け取引
が減ってしまいます。


であるならば、今のうちに1ヶ月後のドル売り・円買いのレートを決めてしまおう
ということです。(これにより為替レートによる損益を減らせます。)


『現時点で、3ヶ月後に1ドル=120円でドルを売り、円を買いますよ』と、いう
取引を行うことで、仮に1ヶ月後115円まで円高が進んだとしてもこの輸出企業は
1ドル=120円でドルを売る事が可能なのです。


この企業に取っては、将来の為替リスクを回避(ヘッジ)したことになります。


これが、為替の先物取引です。


上述した事が、対顧客市場で行われる為替先物取引の概略です。
一方これに対して銀行市場でおこなわれている先物取引は、おもむきが異なります。


通常、銀行間直物市場で行われている取引は、取引の決済を翌々営業日に実行する
という取り決めになっています。


例えば今日、A銀行が10万ドルのドル売り・円買い注文を出し、これに対してB銀行
が10万ドルのドル買い・円売り注文でこれに応じたと仮定します。


当然、A銀行からB銀行に10万ドルが渡り、逆にB銀行からA銀行に対しては、10万
ドルに見合う円が渡されるわけですが、その代金清算が行われるのが、取引成立日
の翌々営業日になります。


なので、取引成立日が火曜日であれば、取引決済が行われるのは木曜日という事です。


ちなみに○営業日目というのは、銀行が営業を行っている日ということであり、
したがって間に祝日や土・日曜日をはさんでいる場合は、それを除いた翌々営業日、

つまり翌週の火曜日になります。


銀行間市場でおこなわれている先物取引とは、直物取引の決済日である翌々営業日
目以降に決済する取引、つまり取引成立日の3営業日目以降に決済を行う取引を
指しています。


その意味では、対顧客市場で行われている先物取引とは、決済日の感覚も含めてやや
異なる観念であることを理解しておく必要があります。




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